移住日和

都市部から地方移住することになった人のブログ

【DIY】不器用な私がうまーくヌレールで上手く塗れなかった話【失敗で分かったコツと癖】

初めまして、【タジオ】と申します。

ご縁があって婿入りすることになり、都心部から地方に移住することとなりました。
住居は妻の親族が数年前まで使用していた築40年ほどの一般的な戸建て。

築40年というのは住む分には問題はないけれど、何かとガタがくる頃合い。
車で言えば10年落ち、走行距離10万キロといった感じでしょうか。
「リフォーム」というのもひとつの手なのかもしれませんが、恥ずかしながら資金がない。
なるべく低コストで、でも見栄え良い家にしたい。

そんな想いの中、ホームセンターを物色していたら出会ったのが
「日本プラスター うまーくヌレール」
まず興味を惹いたのがカラーバリエーションの多さ。
漆喰と聞いてまず思い浮かべるのはヨーロッパの外壁、また姫路城。
白やベージュのイメージです。
ただ、この製品はデザイナーズマンションなどでよく見かけるコンクリート打ちっぱなしの壁に近い色,また真っ黒などもあります。
f:id:KandaMorioka:20211020143956p:plain

これは面白いと妻に相談したところ、彼女も良い反応。
こうして僕らは漆喰DIYに挑むこととなりました。
ただ、不安もありました。それは僕らが不器用だということ。

漆喰について

漆喰とは

まずは漆喰についてのお勉強です。
漆喰とは消石灰を主成分とした建築素材です。
雨風に弱い土壁そのままに比べて防水性を与えることが出来るほか、不燃素材であるため外部保護材料として、お城をはじめとする様々な内外壁に使用されてきました。
ただ、外壁に使用する場合は厚さ3ミリ以上で塗るのが一般的で、1ミリ程度の厚さの内装では過度な期待はしないほうが良いかと思われます。

日本と西洋では漆喰といっても少し成分が違う

日本と海外の漆喰は同じものなのでしょうか。
結論から先に言うと違います。
ベースとなる消石灰は同じですが、そこに何を混ぜるかといった点で異なります。
住宅様式や気候風土などに合わせて世界各地で組成が異なっており独自の発展を遂げているのが漆喰なのです。
西洋の場合は消石灰+砂、日本の場合はプラスαですさ(麻)、海藻のりなどの有機物を混ぜて作られます。
すさはツナギ、海藻のりは接着ではなく保水効果upの意図で混ぜられ、これは作業効率向上に寄与します。
なんだか「職人」って感じしていいですね。
ちなみに日本の漆喰は英語で'Shikkui'と呼ばれ、別物として扱われているようです。

漆喰の効果

一般的な住居では壁紙が主流ですが、漆喰にはどんな効果があるのでしょうか。 主に挙げられる効果は以下の通りです。

  • 明光性:高い反射性があるので部屋が明るく感じる
  • 調湿性:優れた吸放湿機能を持ちます
  • 抗菌性:消石灰を主成分にすることから強アルカリで強い殺菌能力があります
  • 安全素材:ホルムアルデヒド二酸化炭素を吸収し、再放出しないとされています
  • 不燃性:不燃素材と認定されているほどの不燃性を持ちます

まさに日本の住宅向けといった素材ですね。
個人的には漆喰で塗られた部屋を訪れた際の明光性に驚かされたことがあり、期待しています。

うまーくヌレールについて

特徴

*カラバリ豊富 * 蓋を開けてすぐ塗れる * 程よい水分量で塗りやすい * 開封後も密封すれば保管可能

などの特徴があります。 業者さんみたくトロ船で練り込んだりする必要がなく、すぐに使えるのはメリットですね。
本格的なものと比較すると割高ではありますが、上記の手間が掛からず数部屋程度だったら許容範囲だと私は思います。

使用量の目安

f:id:KandaMorioka:20211020141053p:plain
日本プラスター様公式サイトより
公式サイトによると4畳半で18kg缶1つ、8畳で18kg缶2つとのこと。
このことから部屋の広さあたりの価格(定価で算出)は下記の通りとなります。
※5kg缶:4785円、18kg缶:15235円

広さ 使用量 価格
4.5畳 18kg缶1個 15235円
6畳 18kg缶1個&5kg缶1個 20020円
8畳 18kg缶2個 30470円

今回施工予定の部屋は4.5畳なので15235円。
内装屋さんにお願いするとなると10万円以上掛かることから、かなりのコストカットが望めるはずです。

製品外で必要なもの

f:id:KandaMorioka:20211020142849p:plain 公式サイトの道具リストがこちら。
公式のコテ、コテ板はお高かったので、ホームセンターで1/5くらいの価格で販売されているもので代用しました。
また、床が汚れないように追加でブルーシートを購入しています。
こちらは床さえ守れれば良いので、一番安価なもので問題ありません。
実際に初回購入したものは以下の通りです。

  • うまーくヌレール本体:15235円
  • コテセット(ホームセンターオリジナル):1000円
  • マスキングテープ:800円
  • ゴム手袋(100均):300円
  • ブルーシート:800円

道具ゼロベースで揃えても2万円以下で手軽に揃えることができました。 ただ、、、後述しますが、うまーくヌレール本体とコテは追加購入しています。

施工と失敗

施工

2人での作業だったため、1人は脚立を使い上部中心、もう1人は下部中心と分担して下塗りを始めました。
事前にYouTubeの動画で情報収集とイメトレを行なっておりました。
「え〜、こんなに簡単に塗れるんですか!?」
とか
「下塗りはあまり丁寧になりすぎず、大雑把でOK」
みたいな事を見ていたので気負いなく始めたのですが、、、
冒頭で述べた通り私たちは不器用。
なかなか上手くいきません。

塗っても塗っても漆喰が壁に吸い込まれていくような感覚。
大雑把でいいとのことだが、なるべく凹凸を無くしたい。
終わりの見えない絶望感。
まさにそんな心境でした。

予定では半日ほどで下塗り+上塗りをひと部屋分終えるはずだったのですが、、、
実際の成果としては壁1面の下塗りで半日掛かり、心が折れて断念。
また、4.5畳で18kg缶1つが使用目安とのことですが、この時点で半分を消費していました。
これはいかんと1日置いて、ちょっと考えてみることとしました。

反省すること1日色々と改善点や癖が見えてきました。

失敗で分かったコツ

下塗りはなるべく薄く

分かっていたつもりでしたが、気づけば結構厚塗りをしていました。
技術不足ももちろんですが、元の壁紙が凹凸のある素材でした。
このことから塗っても塗っても壁に吸い込まれていく感覚で結果として必要以上に塗りたくってしまいました。
また、このことにより4.5畳で18kg缶1つが使用目安とされているにもかかわらず、壁1面で半分を消費してしまいました。
下塗りはあくまで下塗り。
下地の凹凸を軽く揃え、上塗りしやすくするため程度の感覚で薄く塗ったほうが良いでしょう。

短時間で端から順に

なんとなく壁にペンキとか塗ることに開放的なものを感じていました。
基本は端からと分かってはいたものの、いろんな所に疎らに塗っても後から揃えればいいやみたいな感覚です。
ただ、素材は塗った側から乾いていきます。
そのため、どこが塗り終わっているのか分かりづらくなっていました。
また半乾きの状態で修正しようとするとコテに引っ付きやすい。
まさにドツボにハマったような感覚でした。
大きくは上塗りで揃えるくらいの感覚で端から順々に施工していくのがベターかと思われます。

コテはなるべく大きなものを使用する

初回購入のコテは手のひらサイズの小さなもの。
初心者なので大きなコテは取り回せないのではと考えておりました。
ただ、小さいと言うことはその分だけ手数がいると言うこと。
角など細々としたところにはいいでしょうが、基本は大きなものでOKです。

リベンジとまとめ

前述の反省を活かし、残りの施工をやり遂げました。
体感ですが、労力は半分以下。
結果として追加購入で18kg缶とコテで16000円くらい掛かり、トータルコストは4万円弱。
決して安い勉強代ではありませんが、夫婦の一生の思い出話にはなるでしょう。
そういうのをコミコミにするとプライスレス。

ただ、皆さんはぜひ同じ失敗をしないでいただきたいと思い筆を取りました。
製品はホント素晴らしいです。
簡単」を真に受けた不器用がテキトーにやるとこうなるというアンチパターンとして受け取ってもらえたら幸いです。